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車中で考えたこと
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出先からの帰り、駅前の本屋で普段は買うことなどないカメラ雑誌を買い、電車に乗り込んだ。
車中でやることもないので、パラパラと雑誌をめくっては載っている写真や公募写真を眺めていたのだけれど、
言っちゃ悪いがカメラ雑誌に投稿してくる写真に面白いものってないなあという感じが拭えない。
カメラ雑誌なのだからカメラの機能を引き出しているような写真であればそれで構わないのかもしれないが、
写真の面白さというのは果たしてきれいなモノを撮るだけなのだろうかと僕は疑問に思う。

写真は世界を写しているつもりでも自分自身をさらけ出すものである。
写真を他人様に見せるというのは、実はかなり恥ずかしく図々しいものなのだ。
その恥ずかしさをや図々しさを超えてでも伝えたい何かがあるからきっと写真を見せるはずなのに、投稿された
写真はどれもこれもきれいで化粧顔を見せられているようで、時に見ているこっちが恥ずかしくなり、時にその
本音を隠そうとしていることが見え見えの図々しさに腹立たしくなることもある。

まあ1枚の写真で伝えたい何かを伝えきるなどという芸当はそうそう簡単にできるはずないが、そんな小手先の
美意識などどれだけ積み重ねても伝えたい何かなど伝わることはないだろうにと冷徹に思う。
さらに言えば本当に伝えたい何かがあるのかとすら考えてしまうことも。

写真は100分の1秒たらずの時間でできあがってしまうお手軽なものだ。画家や小説家が1つの作品を作り
上げる膨大な時間とは比較にならないほどの短さである。
さて写真を撮る自分は、そういった圧倒的な時間を費やして伝えるべきものを伝える術を探す人たちに互する
だけの汗を流しているのだろうかと、雑誌を閉じてふと考えるのだった。
by ash1kg | 2009-12-14 01:03 | 写真日記
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影と光、記憶と個人的な記録
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