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モノクロの艶
モノクロの艶_c0123210_3115175.jpg


初夏の昨日から一転して冬になった夕方から恵比寿の写真美術館へジャンルー・シーフの
写真展へ出かける。
もう他界してから10年にもなるのかと、時間の早さにびっくりした。

それにしても相変わらず艶っぽい黒だなという印象が真っ先に浮かぶ。
照明に照らし出される数々の写真の美しさに多くの人は惹かれるのだろうが(もちろん僕も
惹かれないわけではない)、何より黒の黒さに目を奪われる。
モノクロ写真の美しさというのは階調にあるのではなくて、実は黒の黒さに比例するのでは
ないかと、はなはだ酷い見当違いをしそうになるほどに。

僕の記憶力の曖昧さがいささか酷すぎるのだろうが、ジャンルー・シーフってもっと絞りを
開いて撮っていた印象がある。ところが展示されていた作品の多くはきっちり絞って撮った
ものが実に多い。
ちゃんと考えてみれば、ジャーナリズムに始まり、ファッションに転身して写真を撮っていたの
だから、ポートレートを別にすればしっかり絞って細部までしっかり見えるように撮るのは当然だ。

開いて撮った写真も嫌いではないが、広角できっちり絞られている写真の方が「記録」という
もう一つの要素によって、写真そのものが長生きするように感じるのは気のせいだろうか?

それにしても娘のソニアが撮った晩年のポートレートは良かった。
いくつになってもああいう少年っぽさを残したジジイってやっぱり格好良い。

会期中にもう一度見に行くつもりだ。
by ash1kg | 2010-04-23 03:33 | 写真日記
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影と光、記憶と個人的な記録
by ash1kg
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