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写真展の準備ですっかり昼夜逆転の生活になってしまった今日この頃、ようやく全体の半分ほどの プリントが終わった。急がば回れではないが、日中は焼き付け、夜はプリントと、二段構えで作業を 進めるしかなくなってきたのも事実。元々、プリントの美しさや精緻さに注目するような写真では ないのを良いことに、その場の感覚でプリントを仕上げている。 (いや、ちゃんとやれば焼けるんですけどね) 愛用しているコダックのモノクロフィルムが値上げになるというニュースを聞いた。 値上げの幅も相当なもので、やはりユーザー減が影響しているのだろうと思いつつ、福島原発の事故と 関連しつつ、被曝量調査のフィルムバッチを量産すれば(X線作業従事者は写真用のフィルムを入れた バッチを付けて、作業中の被曝量を毎月検査する)、このご時世、そこそこの需要はあるだろうし、 フィルムの価格にだって多少は影響を及ぼせるのではないか、と僕のような脳天気な写真好きは思った りする。 ともかく値上げはすでに決まったことで、量を撮ってナンボの僕のような人間の経済的影響は決して 小さくない。一枚一枚を丁寧に使っていく心理的な度合いは増えるはずだ。 とはいえ「構図を決めて」「シャッタースピードを考えて」などと言ってられないのがスナップ撮影 の悲しさで、その場その場で感応して撮って行かざるをえない。 フィルムカメラの市場が縮小を始めたころから、一番最初にデジタルに乗り換えるのはコマーシャル の撮影を主としたカメラマン達、その次はスナップ撮影をする人間だろうなと思っていた。 そして想像通り事は進み、いまや商業カメラマンの必須カメラだったマミヤのRZは投げ売り状態。ハッセルですらプロカメラマンのデジタル移行で値崩れして、最初に買ったフィルムカメラがハッ セルという人だって珍しくない(昔から写真と付き合ってきた人間からしてみれば信じられない)。 いま、フィルムがなくなったらどうする?という前提で、ザ・プリンツの久保さんはオルタナティブ プリントと称し、インクジェットプリンタから透明フィルムで出力したネガからのコンタクトプリント を試みている。感材はプラチナだったりバナジウムだったりするようだが、新たな手法を模索して 古典的な写真手法の延命(進化?)を目論んでいる。 僕のやっていることはデジタルで出力したプリントをフィルムにトレースすることなので、久保さんが やられていることとは真逆だ。 でも「フィルムはまだ残っているけど、貴重だ」という状況にこの先なったとしたら、これもまた 一つのオルタナティブ ―― 言い方が矛盾してるが ―― として意味はあるのではないかと思う。 家庭用のプリンタはA3が限度だし、誰もが巨大なプリントを依頼して作れるわけでもないだろうし。 いずれにしても新しい手法というのは新しい知識を伴ってくるので、写真展の準備と言いつつ、 作業のたびに気付くことが多くて、とにかく楽しい。 経験は最良の教師とは言うけれど、たいていはかなり高額な授業料を要求される。 だが今回の経験は生徒の懐具合を見たのか、かなり良心的だ。 おかげで実にいい経験をさせてもらっている。 しかし、このプリント、いったいデジタルなんだろうか、アナログなんだろうか。 ハイブリッドと呼べるようなものなんだろうか? ------------------------------- 会場では東日本大震災の被災者支援のため、ポストカードや作品の販売を行います。 ご協力をお願い申し上げます。 祭--Enjoy Camera Life 2011.6.7.~6.12. ル・デコ(渋谷)2,3,6F
by ash1kg
| 2011-05-28 04:45
| 写真日記
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