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写真バカには現像液の色の血が流れているか
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かつてトミー・ラソーダは「俺の体にはドジャーブルーの血が流れている」と言った。
ラソーダのように「オレの身体には現像液のように黄色みがかった血が流れてるんだぜ」なんて言えたら恰好良いのだろうが、幸いなことに僕の身体のどこを切ってもそんな匂いそうな血など一滴も流れ出すことはない。

写真はとても好きだけれど、一体化したいと願ったことは一度もないし、他の何物よりも愛すべきモノと感じたこともない。写真はあくまで僕の中にある澱を汲み出す道具であり、僕の中にある不完全な物語を紡ぐ手段だ。であるから心地良いのだと思う。写真は写真、それ以上でもそれ以下でもない。

でも、こんな言い方をできるのも今が最後かもしれないと、ふと思った。
フィルムや印画紙が消えて無くなった世界では「オレの身体には現像液が・・・」などと言っても、てんで意味がわからない言葉になってしまうのだから。


そういえば、昔、デスクに「オレはオレ以上でもなければオレ以下でもないどころか、それ以上だ」と書いて貼っていた。傲慢さを装うための飾りとして貼っていたのだけれど、ものすごくストレートに受け取る人が多すぎて、慌てて剥がしたのだった。
これまたふと思い出した。
by ash1kg | 2012-03-26 03:49 | 写真日記
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影と光、記憶と個人的な記録
by ash1kg
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