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先入観からの脱却
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僕の本作りにちょうど良い紙がようやく見つかった。
プリンタから出力するという先入観から逃れると、意外なほど簡単に。

写真のタブロー性についてはこれまでに数限りない意見表明や議論が繰り返されてきている
けれど、僕はたった1枚の写真で表現し尽くすほど強力なメディアだと思っていない。
それが人であれ風景であれ、その1枚がなければすべては瓦解するとでもいうようなマスター
ピース的写真はあっても、その1枚で写し出す対象のすべてを描き出せるような写真など存在
するはずがないのだ。
写真集という手法が好きではなかったにもかかわらず、僕が本を作ろうと決めたのは、写真1枚
1枚を作品性から切り離して固まりとして提示しなければ、観る側には何も伝わらないのではないかという
恐怖感があったからだ。
その上で、伝わることを最優先するならば出力方法など二の次ではないかと開き直ったのだ。

そうして見つけたのはレーザープリンター/コピー機の専用紙だった。
コピー機からの出力が僕の写真にフィットするのはパイロット版ですでに判っていたことだ。
だがコピー機から出した写真で作った本なんて、「どーせ荒木経惟のゼロックス写真帳の真似
だろ」と思われるのがオチである。僕はそのことを無意識に避けていたのかも知れない。

今日、ヨドバシカメラで見つけたコピー専用紙とデータ、念のためにインクジェットで出力した
写真を持って、恵比寿のリスマチックへ行ってみた。「出力の具合を確かめたい」と頼んで、コ
ー機から出力してもらうと、思っていた以上に良い感じである。これで本ができるのなら、アラキ
のパクリと言われようが、モリヤマダイドーの真似と言われようが好きにしてくれという感じであ
る。僕が僕以外の誰かに伝えたいことは誰とも同じではないのだ。
by ash1kg | 2008-03-15 23:16 | 写真日記
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影と光、記憶と個人的な記録
by ash1kg
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