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![]() 今日は「◎◎をしなきゃ」を禁句に、普段やっていることとは違うことをするというルールで江ノ島~鎌倉を歩いて来た。 もちろんカメラは持っていたけれど、撮ることを最優先にせず、行く先々で読書を楽しむ。 午前中はビーチの石段で本を読んだ。 海に行き、持っていった文庫本を読む。やったことはただそれだけである。 なのに今日のリラックス度合いと言ったら、普段ではとても考えられないくらいのんびりすることができた。 本当に良い一日だった(小学生の下手くそな作文みたいだ)。 ![]() 厳密な時間を計ったわけじゃないが、単純に効率よく六切りのプリントを仕上げていくだけなら、銀塩ネガよりデジタルネガの方がずっと早い。 もちろんそのスムーズさは前段階であれこれ済ませておくからであって、1本36コマで濃さが揃っていれば、銀塩ネガだってスムーズに焼ける。 個人的なことを言えば、老眼の上に暗いところはあまりよく見えない困った目なので、デジタルネガありきの方が楽と言えば楽。その代わりに暗闇の中で試行錯誤する楽しみはまるごと失うわけだけれど。 写真よりも写真のようなモノの方が完成度が高くなるというのも困ったモノである。 ![]() 昨日のワークショップのまとめというか、感じたことを備忘録のようにしるしておく。 技法的なことではなく、もうちょっと観念的な、感想めいたことを忘れないように。 ゾーンシステムというのはとかく細かくて、面倒くさいものだとずっと思ってきた。 それはあながち見当ハズレでもないのだけれど、そもそもどうしてこういう技法を作るに至ったのか、そのことについては考えたことがなかった。 おおかた理系アタマの人たちが論理で組み立てた技法なんだろうぐらいに思っていたのだ。 考案者であり、提唱者のアンセル・アダムスは「ネガは楽譜、プリントは演奏」と言った人である。 でもそれは上手な例えであって、よもや本人が写真家とピアニストのどちらになるかを迷うくらいに音楽造詣の深い人だったとは知らなかった。 僕は経歴を聞いて、僕は「ははあ、そういうことなのね」と理解した気がした。 自分のプリント制作の作業を数値化するという程度の目的ではなく、彼は「ド」の音が世界中どこで奏でられても永遠に「ド」であるように、「黒」や「白」も世界中共通じゃなければおかしいと考えたんだろう。理屈とかそういうことではなく、生理的に共通でなければ気持ち悪いぐらいに思っていたようなんじゃないかと想像した。 「プロセス」ではなく「システム」と呼んだのも、世界のどこで使ったとしても同じ基準、同じ手順、同じ方法でプリントが作られたならば同じクオリティのプリントができあがる、そのことを指したんじゃないかと思う。 そうすることによって初めてシエラネバダの山々に対峙し、そのときに受けたイメージを正確に印画紙に焼き付ける ―― ある意味では印画紙にトレースする ―― ことができるようになったのかもしれない。 よく知られているが、ゾーンシステムでは黒から白までを0からから10の11段階に分ける。 こうすることで写真の明度に一つの共通言語を作った。 チャート化されたゾーンを見ているとなんとはなくピアノの鍵盤のようにも見える。同じ鍵盤を叩けば同じ音が出てくるように。 緻密で複雑で論理的で、プリントを作るには合理的なシステムであることは間違いない。 同時に、「雨」一つとっても数多くの言葉を持ち、曖昧さを理解し、中間をピンポイントで表現することもできる日本人には根本的には向いていないのかもしれないな、とも思った。 だがそれはゾーンシステムを到達点と見るか、端緒と見るかでもずいぶん違う。 技法と言うよりも考え方としてベースに持った上で、自分なりのプリントを作るなら、これほど有用なものもない。 ワークショップの数日前、写真仲間のトマさんが教えてくれた通りだった。
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