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コンタクト・プリント
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夕方、冷たい雨の中、恵比寿の写真美術館まで「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン~
東洋と西洋のまなざし」を観に行く。

木村伊兵衛にしてもカルティエ=ブレッソンにしても、これまでにけっこうな回数を見ているので
初見の作品はそれほど多くなかった。
木村伊兵衛については、当時はジャーナリスティックな視点と美意識が相まって撮られたものが、
特に東京を撮影したものについては個人的に記録性にばかり目が向いてしまったり、ブレッソンに
ついても構図の美しさ、シャッターが落とされるタイミングに引きつけられる一方で、撮影された場所で
育った人たちは僕と同じように記録性に目が行くのだろうかなどと、写真の外部のことばかり考える
始末であった。

最後のコーナーに二人のベタ焼きが展示されていると聞いて楽しみにしていたのだが、予想通り目を
奪われて、1点1点、1コマ1コマをメガネを外して(老眼なもんで)見入ってしまった。

引き伸ばされた1枚のプリントが化粧を施された顔だとするなら、ベタ焼きはスッピンである。
アラーキー大先生は「顔はヌードだ」と宣っていたが、ベタ焼きは撮影者の目線、被写体へのこだわり、
露出、時には細かい操作ミスまで全部露見してしまう。
東松照明が自分のベタ焼きを決して人に見せなかったと聞いたことがあるけれど、確かに写真と写真
以外のすべてが露見してしまうことへの恥ずかしさや照れを思えば納得できる。平気でベタ焼きを
見せる人が露出癖があるとは思わないけれど、まあ普通なら手の内を明かすようなマネはしないよな
と思うのだ。

実際、有名・高名な写真家のベタ焼きを見る機会などそうそうあるものではないし、そういう意味では
多くを学べる素晴らしいチャンスだった。
閉館間際だったので、もうちょっと観たかったという感じが残っている。ベタ焼きだけを観にもう一度
行こうかとも思っているぐらいだ。
都写美で写真家のコンタクト・プリント展なんて企画してくれたら最高なんだけど。

(お粗末なコンタクトプリントですが、写真をクリックすると拡大します・笑)
by ash1kg | 2009-12-06 02:48 | 写真日記
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