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ヘタクソは繰り返して覚えるしかないという話
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適正なネガを作って、そこからどれだけ離れたネガを自分の標準にするか。自分の基準をもう一度線引き
することが今年最初の目標だったのだが、すでにこびりついてしまった垢のように身体に染みついてしまって
いる癖を引き剥がすのは容易ではない。どんなことでも同じことだ。

面白いもので人間というのは慣れてくるとなぜかあらゆる物事を楽な方へ、簡単な方へ進んでいこうとする。
それを効率と呼べばそれも正しいのだろうが、たいていの場合、個人的な「効率化」は粗雑さと品質の低下を
もたらす。料理にしても物作りにしても。

こういう傾向は子どもの頃、泳いでいるときにもあった。
泳ぎの型を覚えるまでは神経を研ぎ澄まし、身体がどう動いているのか泳ぎながら必死で探っていたのに、
一度泳げるようになってしまうと、身体が楽なように適当に泳ぎ方を変え(それを個性と言ったり)、結果として
全然タイムのでない酷い泳ぎ方をするようになってしまう。
これが癖にならないうちに矯正するのがコーチの役目なのだが、このフォーム固めがいちばん苦しい。
まず癖を削ぎ落とすために、身体から余分な力がなくなるまで徹底的に泳がせるのである。
そうして疲れ果てて浮いているのがやっとという状態になると、不思議と前に進むことにしか力を使わない、
無駄のないフォームになるのだ。

今日、4回目の現像を終え、フィルムを吊したとき、ようやく「おや?」と感じることができた。
なるほどアレか、と。
だが、今はまだ癖を削ぎ落とし、アタマでフォームを覚えている段階。これから基本の型を固めた上で、自分の
求める型に少しずつ動かしていかなければならない。
幸い、未現像のフィルムはヤマほどある。

(京都・六曜社)


 
by ash1kg | 2010-01-13 00:56 | 写真日記
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影と光、記憶と個人的な記録
by ash1kg
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