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クリスマスに写真を贈る
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今日(すでに昨日か)は冬至であった。
柚子湯に入り、南瓜を喰い、冬の寒さに備える風習も、今日のように暖かくて、日頃からコンクリートの壁と
エアコンに護られた現代日本人にはいささか不似合いな風習のようにも見える。スーパーに柚がヤマ盛りに
されていて、店の中にそこはかとなく柚の香りが漂っていたのはとても良かったが。

そうこうしているうちに土曜日はクリスマス、来週の土曜日にはもう年が明けているという恐ろしい状況の中、
今日はクリスマスのプレゼントの代わりに送る写真の荷造りをしていた。
裏面に撮影日やプリントした日などの情報を転記し、組み、保護のための和紙で覆い、厚紙を当て、封入を
する。今日はそんな作業に一日費やした。

1年間音信不通の(というか、積極的に連絡を取らない)関係の知人・友人から届く年賀状ももちろん嬉しい
けれど、なんというか1年に1度の挨拶で「は~い、元気ぃ?」みたいな儀礼的なものとお互いを知っていると
いう気楽さが入り交じった年賀状よりも、クリスマスの贈り物には心地よいウェットな親密さを感じる。
それは金額の多寡ではなく、ささやかであれ豪華であれ、お歳暮から義理と建前を差し引いたような素に近い
ものが加味されているからなのではないかと思う。

かつて絵描きの友人からクリスマスプレゼントに絵をもらったことがある。
もちろん本人が描いたもので、タイトルは「誕生前夜」だった。
僕は、絵画は見る方専門なのだが、描くことの大変さぐらいは想像が付く。
友人に「大変だったんじゃない?」と聞いたけれど、帰って来たのは「絵を描くのは自然だから別にそうでも
ない」という答えだった。友人にしてみればこれほど手軽で親密な贈り物はなかったのだ。

バレンタインデーにはチョコレートが飛び交い、業界の涙ぐましい作為がありありと見えるサン・ジョルディの
日には本を贈ろうというキャンペーンが張られる。
写真にはそういった習慣はないけれど、1年のあいだに撮った写真の中から友人が写っているものを選び、
プリントして贈る、そんな習慣が生まれたら、それはなかなか洒落ていて楽しい習慣なのではないかと
思ったりもする。
by ash1kg | 2010-12-23 03:18 | 写真日記
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影と光、記憶と個人的な記録
by ash1kg
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