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ホームタウン(3)
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右側の白い壁が途切れた向こうが僕が4歳から27歳までを過ごした家だ。
父方の祖父に進行性の胃がんが発覚し、余命1年と判ってから、31歳だった父が相当の無理をして建てた。

60歳で他界した祖父の記憶は多くない。
この家に住み始める4歳までの記憶は断片的だ。

この路地で僕は育った。
弟や近所の子供達と落書きをし、友達と野球や缶蹴りをし、父とキャッチボールをし、夏には花火をし。
当時は正面に繋がる道はなく、突き当たりはT字路で、通り抜けるには左に曲がらなければならない、迷い込んだパトロールカーがボディをブロック塀に擦っていくほど狭い道だった。
かつてあったセメント工場がなくなり、突き当たりに道が通った今、子供の頃のような狭苦しさや圧迫感はない。
だがかつて路地の奥にあった小さなコミュニティの親密さは、路地の消失と共に失われてしまったように思う。

歩行者用の線の左にあるコンクリート塀は昔とまったく変わっていない。
その変化のなさに逆に物悲しさを感じた。
by ash1kg | 2011-12-01 23:11 | 記録
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影と光、記憶と個人的な記録
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