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そうして人生は続いてゆく
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写真仲間のシンさんとロディさんの写真展『Real Life 2 / Life goes on』が今日から始まり、夕方から設営のお手伝いに行ってきた。

長く写真をやっていると、写真のことにも詳しくなるが、その他にも展示のノウハウなども否応なく積み上がっていって、設営に必要な道具だとか、手順だとかが大方想像がつくようになる。
今日も「これぐらいあればどうにかなるだろう」という程度の道具を揃え、開店前に無事に設営を終えることができた。

僕はそういう作業が割に好きだし、得意でもある。
なにより、これもまた写真の一つの枝葉だと思うと、事務的に手を動かしつつも、実に多くのことを感じ、考える。
それが見た目よりずっと多くを学ぶ機会であったりするのだ。

二人の写真は、陰惨であるとは言わないが、決して明るいものではない。
被写体になっている人々と撮影者である二人は、適切な距離で適切なコミュニケーションを図り、タイトルの通り、良い表情を捉えてはいる。
だが、それはあくまで二人と被写体との関係であって、写真に写っているものは、 ある意味では苛烈であり、またある意味では宿命としか言いようのない逃げ場のない現実であり、僕は真正面からそれらに対峙することに怯み、腰が引けて、ついつい表層的なことのみを考えようとしてしまうのだった。

「それでも人生は続いていく」

写真展のサブタイトルは高校の同級生が卒業文集に寄せた現代詩の締め括りの言葉だった。

同級生が選んだ末尾の言葉の前には「世界が私に何を望もうと/あるいは望むまいと/私が世界に何を為そうと/あるいは何も為すまいと/彼らが私を罵り、蔑み、嘲笑い、貶め、卑しんだとしても/私が生を持ち続ける限り」という言葉があった。

二人の写真を見て、あれは同級生の来るべき未来への決意表明だったのだなと、初めて気が付いた。
避けようのない未来と、望まないまま訪れてしまった現実と、二人の写真に実にいろいろなことを考えさせられた夜だった。


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『Real Face 2 / Life goes on』
Shin Hasegawa / Rody
http://www.flickr.com/photos/31041220@N06/6441777345/


 
by ash1kg | 2011-12-08 01:01 | 写真日記
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影と光、記憶と個人的な記録
by ash1kg
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