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美味しい珈琲、吉祥寺に帰る。
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昨年の暮れに江ノ島に行った帰り、長谷でいつものように立ち寄った珈琲屋が知らぬ間に閉店していて、がっくりと肩を落として帰ってから1ヶ月。
吉祥寺に戻ったその店の情報を得て、今日、移転先の店に行って来た。
3ヶ月ぶりに飲む珈琲の味は変わらずそのままで、煙草を薫らしながら僕は珈琲の味を楽しんだ。

手を入れたばかりの店はまだ馴染んでいるとはいえず、フォームを直されたばかりのピッチャーみたいなぎこちなさはあったけれど、それより何よりこの珈琲がここにあるということが重要なのだ。

だが、長谷の店にあった喧噪と慌ただしさに取り囲まれた東京とは別種の世界とでもいうような形容しがたい穏やかな雰囲気は残念ながら若干失われてしまっていたように思う。
それは、あの「場」と珈琲の味が同じ場所にあったから醸しだされた奇跡のようなもので、別の場所に移っても保たれるであろうというのは、客の一方的な我が儘であり、少々虫の良い期待だろう。
だが、それほどに長谷の店にあった違う時間の流れ方は、それはそれは心地良いものだったのだ。

長谷の店に初めて辿り着いたときのことは今でも良く覚えている。
友達の読んでいた雑誌の中でその店を見つけ、極楽寺からの切り通しを下り、路地を迷い、ようやく辿り着いた。7月の暑い日のことだ。それからは何度も足を運び、本を読み、煙草を薫らし、何枚もの写真を撮った。

これからはその写真たちを幸福な思い出として大切にしまい込んで、新しい店が珈琲の薫りに馴染んでいくのを期待したいと思う。
さようなら、お帰りなさい、という感じだ。
by ash1kg | 2012-01-26 00:57 | 写真日記
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影と光、記憶と個人的な記録
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