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いつか見た風景、展示の話
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フェイスブックでお誘いいただいた写真展「Out of the blue」を見に久しぶりに渋谷のルデコへ。
写真のSNSで集まった10人のグループ展。
「散漫」と感じる人もいるだろうけど、写真を楽しむのなら、それは人それぞれのやり方というものがある。ましてや写真は昔よりはるかに簡単になっているのだ。何を目指すかによって展示の方法など違って当たり前。好きなように撮り、好きなように選び、好きなように飾る。屈託がないというか、伸び伸びしているというか、それぞれの人がどれくらいのキャリアがあるのかは判らないけれど、楽しめるのって重要だなと感じた。

その後、ルデコのオーナーの島中さんのところにお邪魔して1時間ほどあれやこれやと話を聞いていただいて、アドバイスをもらった。話の中心は展示のこと。
写真がブームになっていることもあり、どこのギャラリーでも写真の展示が実に多い。
撮るだけで終わらせないで、ギャラリーを借りて写真を展示するところまでやるのは良いことだと思う。
だが、その一方で、オーソドックスというか、ステレオタイプの展示 ―― マットを掛け、額装を施し、出展者全員の写真を同じ高さに揃えるような展示 ―― に縛られてるような感じがあると。

確かにギャラリーに行くと、壁には写真が架けられていて床ががら空きということが多い。
「写真は壁」というのは自然ではあるけれど、そもそも自由であるはずの写真が壁だけに留まっているのもね、という感じは僕自身も持っている。
何を目指すかにも寄るけれど、全員揃ってマットに額装というのは、校則の厳しい中学校で無理やり制服を着せられてるみたいな感じもする。それってどうなんだろう?と思うのだ。

僕は押し込もうと自分で努力してもはみ出してしまうタチなので、窮屈な制服などまっぴら御免なのだが、僕とは正反対の考え方でそういうステレオタイプの展示に収めることで安心する人もいるんだろう。それはそれで判るような気もする。
気がするだけで、間違ってもできはしないけれど。

ルデコを出たあと、熊谷聖司さんの『Spring, 2011』を見たくて、トコトコと歩いて中目黒の「Poetic Scape」へ。
たまたまギャラリーに来ていた熊谷さん、ギャラリーの柿島さんと小一時間、話をさせてもらった。
熊谷さんの写真はタイトル通り去年の春のもの。
だが、僕には「いつか見た風景」のように見えた。展示作品が撮られた場所ではないことは間違いないのに、それでもこの風景はいつか見たことがある。そう思わされるような風景が写されていた。
「どこかでみた風景」ではない。それが重要なのだ。
曖昧なものを曖昧なまま取り出す。簡単そうに見えてものすごく難しいこと。
熊谷さんの写真はまさにそれだ。

話題は春の浮き沈み、車窓の風景から、普遍化する原風景へと移り、なぜか赤いスイートピーで泣くことの素晴らしさ、松本隆の偉大さ、そしてどうしたはずみか初音ミクを聞いて育ついまの子供達の未来の原風景について、へと移った。実に愉快な時間だった。
正面からズドンとくるわけでも、突き刺さるわけでもなく、柔らかく包まれながら同時に形のないモノをしっかりとつかまれるような不思議な感覚のある写真達だった。


熊谷さん、トークショーへのお誘い、楽しみにしてます(笑)。
by ash1kg | 2012-01-28 00:12 | 写真日記
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