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概略くらいは話しても良いと言われたので、ここのところ携わってる仕事について。 とある依頼でピクトリコから発売されているデジタルネガ専用のフィルムで作ったネガで銀塩プリントを作るという作業をしている。 ピクトリコの推奨はコンタクトプリントを作ることなのだけれど、インクジェットプリンターの最小インクサイズも一兆分の2とか3とかまで小さくなっているし、今日は完成したデジタルデータから作ったネガで引き伸ばせるかどうかという実験をしていた。 結果から言うと引き伸ばし率に上限はあるものの、引き伸ばしは可能だった。 プリント時のピント合わせも銀塩のフィルムでやってるのと変わらない感覚でできるし、暗室作業としては違和感はない。ネガ作りにいくつかポイントがあるが、ある程度の品質のネガが作れればかなりちゃんとしたプリントにすることができる。 現像の出来次第という不確定要素がなくなり、覆ったり焼き込んだりというプリント時の操作がネガ作りの時点でできてしまうので、フィルムから作るプリントよりはディテールを追い込みやすい。データをどこまで追い込むかは個人差があるし、際限なく作り込めるのはデジタルの良さでもあるそういう意味では便利だ。 コスト面で考えてみたが、フィルムで撮影し、印画紙に焼き付ける時とのコストの差については、多分1枚あたりのコストはそれほど変わらない気がする。ピクトリコのフィルムは20枚入りレターサイズが5000円だが、OKカットしかネガを作らないわけだから、実際はかなり安く上がるんじゃないかと思う。 プリントの仕上がりは、もちろん厳密に言えば銀塩ネガから作った物とは違うけれど、プリンターから出力した物と比べた時に、どちらに近いかと言えば間違いなく銀塩写真に近い。 良く似ているけど親子でも兄弟でもない、イトコ・ハトコっぽい感じとでも言えばちょうど良いか。 テストに立ち会っていて、目の前にある写真の属性がはっきりしなくて、なんだか不思議な感覚だった。 あれは間違いなく銀塩写真であり、同時にデジタル写真。 面白かったのはピクトリコ推奨のベタ焼きで作ったプリントがいちばんデジタルっぽさがあったということ。 それはつまり、少なくとも僕は幾ばくかの粒子に魅力を感じてるということになる。 フィルムでしか写真を作れなかった時代には懸命になって粒状性の低減に躍起になっていたのに、粒子を感じさせないデジタル写真ができてみると、多少の粒々があった方が写真らしく見えるのだから面白いものだ。 ネガの作り方にもよるけれど、4×5のネガから全紙に伸ばしても、1メートルも離れればプリントノイズも全く気にならなかった。僕の印象としては展示に使う分にはまったく問題ない。 もちろん撮影の段階でしっかり撮れていないと話にならないけれど。まあ選択肢が増えた感じはする。
by ash1kg
| 2012-04-11 00:32
| 写真日記
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