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どのカメラを使うか、フィルムの感度、メーカー、被写体と、写真を撮る上で考えなければならない ことは多い。写真は選択の連続だと言われる所以だが、そういう試行錯誤を経てようやく自分に とってのスタンダードを確立していくのだと思う。 裏返しとしてどんなカメラでも使うとか、フィルムにもこだわらないというやり方だってあるのだけれど、 量を撮っていけばいずれはある程度のスタンダードはできてしまうものである。大判からトイカメラ までまんべんなく使うというスタンダードだってあるだろうし、ホルガで看板だけを撮るというスタン ダードだってあるかもしれない。形はいろいろでもその人なりのカラーというのは出てきてしまうと いうことだ。 スタンダードを確立しなければならないのは現像でも同じことで、薬品の選び方、液温、時間など 似たようなプロセスで行う作業なのに、人それぞれ微妙な違いがある。それがプリントにも影響 してくるのだから、自分なりのスタイルを作り上げるための(自分好みのプリントを作るための) 試行錯誤はなかなか大変である。 かく言う僕もまだ「これだ!」というパターンは見つけることができないでいる。温度を微妙に上げ 下げしてみたり、現像時間を増減してみたりとあれこれ試しているのだが、なかなかベストの組み 合わせが見つからないでいる。中でもいつも迷うのは撹拌の頻度だ。 現像時の撹拌のスタイルは自家現像している人で十人十色というほど違う。恐らく見本になるような 参考書がないために、それぞれで自分なりのやり方を模索した結果だと思うのだが、その違いの 差が結構斬新だったり、前衛的だったり、保守的だったりする。自家現像をやっている人に「どう やって撹拌します?」と聞くのはなかなか面白い趣味になるのではと思うほど違うのだ。 僕はいつも4本タンクで50秒ごとに10秒の撹拌をするのだけれど、先日、まとめて現像したときに 1回だけのトライアルとして「放置現像」にチャレンジしてみた。11分の現像時間のうち、現像開始 からの4分間、ひたすら撹拌し続け、残りの7分は放置したままというやり方だ(4分という時間には 何の根拠もない。強いて言うなら料理をするときの匙加減的感覚)。 結果は、特に不自然なこともなく現像自体はノーマルな形で仕上がった。ただ問題が一つ。思いっ きりパーフォレーションのムラが出た。ただこのムラが放置したことによるものなのか、初期の 連続撹拌の方法に問題があるのかが判らない。結局、これもまた試行錯誤の枝葉を伸ばした だけなのであった。 写真は仕上げたネガをそのままスキャン。 濃度・コントラストの調整は一切していない「ベタ」の状態。 「コンタクトを見せるというのは自分のハダカを見せるような気分だ」と聞いたことがあるが、 なるほどという感じである。 ってことは、WEBでベタ焼きを堂々と出している人たちってのは露出狂なのか?まさか(笑) ※僕は現像オタクではないです、決して(笑)。
by ash1kg
| 2008-06-04 00:53
| 寫眞萬手控
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