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レーザー・レーサー
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大騒ぎになったイギリス・speedo社のレーザー・レーサーを巡る諸問題も北島康介の世界新
記録更新でひとまず落ち着いた感じである。




元競泳選手としては今回の騒動をわりと冷静な目で見ていたのだけれど、実際に泳いで試した
選手達の談話を耳にするたびに一度は着てみたいものだなと思うようになっている。
僕と同じようなことを考えているアマチュア・スイマーも多いようで、レーザー・レーサーはすでに
予約だけで品切れ状態に近いと聞いた。開発競争で負けたミズノやデサントにしてみればさぞ
かし歯がゆい思いだろう。

僕が現役だった頃はスピード派とアリーナ派が半々ぐらいで、僕はスピード派だった。スピード
の水着はアリーナよりも若干小さめで、骨盤全体を締め付けるような圧迫感があって泳ぎやす
かったのだ。

特別に契約があったわけではないのだけれど、僕も2社から頼まれて月に5~6枚の水着を
渡され、使っていた。メーカーのランニングテストに協力していたわけだ。
水着と一緒に渡されたカレンダーに従って水着を着けて練習し、一定の時間が経過したところで
メーカーに返却する。レーザー・レーサーのような機能チェックではなく、布地の耐久テストが
ほとんどだった。

今回の騒動では「水着の力を借りてタイムを出すなんて…」という意見を耳にすることも多かった。
実際のところ、トップクラスの競泳選手は呼吸する位置が5ミリずれたら大問題というところで
勝負している。極めて微妙な違いも泳げばすぐに判るほどだ。無理矢理カメラ的に例えるなら
シャッターボタンの深さのちょっとした違いのようなものだろうか。ともかく身体全体が5ミリとか
1センチも浮くとしたら、誰もが問答無用で使いたいと思うはずなのだ(フィットするしないは別と
して)。

自分の筋力で5ミリ身体を浮かせるようにするのはとんでもなく大変な作業である。筋量が増え
れば力が増す反面で体重が増え、抵抗が増してしまう。泳ぐのに必要なだけの筋力のみを残す
ために、選手達は毎日1万メートルを楽に超える練習を繰り返しているのだ。それが水着で獲得
できるなら飛びつくのも無理はない。

このレーザー・レーサーは間もなく一般にも販売されるらしいが、ジムのプールでパシャパシャ
泳いでいるぐらいの人が着ても、おそらくほとんど効果はないだろう。それどころか強く締め付け
られすぎて壁を蹴っただけで足を釣る人だっているかもしれない。道具はレベルにあったモノを
選ぶのがいちばんというのは何にでも共通して言えることだが、この水着についてはより当ては
まりそうである。

それでもきっと馬鹿売れするのだろうけど、着にくい上に泳ぎにくいと瞬く間に箪笥の肥やしに
なるのは想像に難くない。
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by ash1kg | 2008-06-13 01:20 | 写真日記
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