Top
不安感と飢餓感
c0123210_23311460.jpg


湿気で空気に固まり感が感じられる疎ましい季節だが、日中をビルに幽閉されて過ごす
会社員としては日没が伸びて、退社後にもギリギリ撮れる時間ができるのは嬉しいこと
でもある。
今日も日没間際から1時間ほど、湿気飛ばしの風が吹き始めた新宿の西側を撮り歩いていた。

勤務先が西新宿の高層ビル街なので、僕の平日写真はどうしても西新宿界隈が中心になる。
日中に撮ろうとすると会社から15分ぐらいのエリアをグルグルと歩き回って撮るのが普通だ。
僕の日常は極めて狭い。

普通に考えれば括られた円が小さければ ―― 円のサイズに関係なく一定量を撮るという
前提での話だが ―― 積み重なった写真が作り出すイメージの密度は濃くなるはずである。
ところがこれだけ毎日、同じ場所に通って撮り続けていても、一向に「撮り切ったなあ」という
満足感が生まれてこない。シャッターを指にかけたときにはいつも「ああ、これは前に撮った
ことがあるな」と思うのに、いつまで経っても「これで撮り終えたな」という感じがないのだ。

何かが根本的に間違っているのか、それとも現実社会はそれほど複雑にできあがっている
のか、そもそも終わりなどないのか、本当のところはいったいどうなんだろうと思いつつ、
今日はフィルム3本分撮った。だが相変わらず撮り終えられる気がしない。
ここまで来ると「もっと撮りたい」という飢餓感よりも、本当に終わるの?という不安感の方が
大きい。
もっとも、ヘンな満腹感がないから、いまも毎日撮り歩くことができるのだけれど、小心者の
凡人としては遠くにでも良いからしっかりとゴールが見えている方がありがたいのも本音だ。


(新宿駅 19:03)
by ash1kg | 2008-07-17 23:34 | 写真日記
<< 富士山 10:37 西新宿 17:03 >>



影と光、記憶と個人的な記録
by ash1kg
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28